#0.5 / 父と息子

 

 

デザイナーの継父と男子高校生が家族関係についてお互い素直に語り合ってみた。

 

 

2015年の冬、ユウシくんは田村ゴー(@55DESIGNS )の息子になりました。

 

それから2年、ゴーさんの協力で「わらしべ高校生」を始めることができました。この企画は、ユウシくんの「挑戦をして世界を広げる」というのが主な目的ではありますが、その裏側で、ひょっとしたら父子の対話の糸口になっていくのかもしれません。

 

――

 

だから、最初のお話相手は2年目の父・ゴーさんです。

 

生活感にまみれた会話がほとんどですがそこから垣間見える照れや微妙な距離の探り合い、2人の人となりが少しでも伝われば、幸いです。

 

今、お互いをどんな人間だと思ってる?

父・ゴーさんから見た息子・ユウシ


ゴー
:いい加減。それに尽きるところがあるんだなー。挑戦ができないというか責任が持てない。たとえば部活でも試合には出ないとか、クラスでも委員はやらない、みたいな。責任を持つのを嫌う。でも、やり始めたよな。

 

ユウシ:うん。ちょくちょくやり始めた、中3ぐらいから。

 

ゴー:生活的なところでは、きっちりしたことが苦手。その割に、テーブルにパンを直置きにするとかさ。

 

ユウシ:そこは汚れとかじゃなくて、洗い物が減るっていう。

 

ゴー:わかるよ、でも俺は新聞とかでやるからさ。取りに行く手間を取るんだよ、新聞を。

 

ユウシ:じゃあこれからそうする。

 

ゴー:でも、彼女ができてから多少男気が出てる。まだ全然なんだけど、彼女に対してはできてたりとかさ。彼女も「男気ある」とか言ってたしさ。一方ではバイトは始めて、そしたら実践型だから、やればできるわけやん?最初はすごい「緊張するわー」とか「怖いわー」とか言っててもできるわけやん?あ、「緊張しい」やな。で、やり出すと慣れてくるから「調子乗り」、とか(笑)

 

ユウシ:ふふふ そうだね。

 

ゴー:最近の伸び率が俺的にはいい。最初のイメージが、まぁ悪くはないんだけど、いい印象ではなかったというか。でも思春期なりに喋ってくれてたし、中学生の子がさ、変なおっさんがきて「お父さんです」とか言われても普通は喋れないやん?でもその辺はユウシが母のことを信頼してるっていうか、「この人が言うことならいいだろう」ってついてきたわけやん?京都に。

 

ユウシ:(母が)乗せるのとかうまいしね。俺も単純だし。

 

ゴー:今回の「わらしべ」もそもそもは罰ゲームではあるけど、普通ならさ、「じゃあ俺それやるわ」とは言わないと思うんだよね。その辺の単純さとか、変な度胸の据わり方というか、それはユウシの特徴かな。普通の子ならそれはやらずになんとかしようとすると思うしさ。乗せるとやっちゃうのかな。

 

ユウシ:別の方法を俺も思いつかなかったし、「知らない人にインタビューする」っていうのがインパクトが大きすぎたんだよね。結果、受け入れた。

 

ゴー:そうそう、受け入れがすごい大きい。

 

ユウシ:多分、許容量を超えすぎて、逆に、て感じ。逆に開き直るみたいな感じ。ばーん!てきて、これやばい!てなって、まいっか、みたいな。

 

ゴー:全部受け入れるのがユウシの大きさでもあり、それで結局自分のことができなくなるって面もあり(笑)

 

 

息子・ユウシから見た父・ゴーさん


ユウシ
:ゴーさんの印象か・・。それこそ人の言葉借りちゃうけどダジャレがうまいとか、本当に早いんだよね。異常なスピードなんだよね。

 

ゴー:「どんな人間か?」でダジャレがうまいって、どんな人間なんやって感じだけどな、俺からしたら。特徴ないんかっていう、人間として。俺、自分のこと普通だと思ってるから。超スタンダードだと思ってる。

 

ユウシ:全然スタンダードじゃないよ。

 

ゴー:世間に溶け込みまくってると思う。

 

ユウシ:溶け込みまくる人ってやっぱり友達がそんないないと思う。あ、「友達が多い」。友達が多いってことはやっぱりその、優しいし。ゴーさんも、急に3人家族が増えたわけやん?そういう受け入れがすごいとか。あと、高野山に夜中2時に急に行くとかさ。

 

※2016年ある秋の日、突然、高野山へ行った2人

 

ゴー:あれはもう、あの人の乗せ方がうまいんだよ。

 

2人(笑)

 

ユウシ:それこそ前に喧嘩してさ。母が香川行くって言って行く感じになってたやん。

 

ゴー:仕方ないやん。だからホントにもう、2人とも支配はされてると思うんだよね。だから同一の位置にいるっていうかさ。

 

ユウシ:だからその支配がさ。受け入れを大きくしてるってことも。

 

ゴー:そうそう。良く言えば器を大きくしてくれてるっていうね。

 

ユウシ:あとね、センスがいい。やっぱりデザイナーだし、そういうの大切なんだと思うし。服とか、絵とか、写真とか、センスがホントにいいなって。だからこそ、この仕事がうまくいってるわけだし、続けられてるんだろうなって。センスがいいなって思ってる。あと話が合う、結構。ユーチューブとか、ゲームとか。

 

ゴー:俺も頭が高2だからさ。

 

ユウシ:好きなもののジャンルが似てるから、そういう面で話しやすい。

 

ゴー:話は確かに合うね。

 

ユウシ:だからこそ、余計受け入れられたし。最初に「ゴーさんゲーム好きだよ」って聞いて、それもCOD持ってるって聞いて、印象よかったんだ。


ゴー
:全然文句も言ってくれていいよ。

 

ユウシ:文句はないな。

 

ゴー:絶対にあるやん。絶対にあるやん。不満とか。

 

ユウシ:なんだろな?不満・・

 

ゴー:こういうのやめてほしい、とかさ。あるやん、そういうの。

 

ユウシ:ないんだなー。本当にないんだな。一瞬思ったのがエアコンとかの節約とかにうるさいってのもあるけど、あれは俺が悪いって話だし。客観視したら俺が悪いからゴーさん悪くないなと思って。

 

ゴー:おれも別に悪いこと言ってないけど、ユウシが悪いことしてるわけでもないよ。

 

ユウシ:わかるよ。ゴーさんがイヤだからイヤだよって言ってるんでしょ?

 

ゴー:ユウシはエアコンつけてないとイヤって気持ちがあるわけやん?ユウシのそうありたいってのがあってさ、それを俺が邪魔するわけやん。

 

ユウシ:でもそのエアコンを消すことに関しては、慣れたからなー不満にならないんだよね。

 

(エアコンの省エネな使い方から、マヨネーズ、シャワー、生活の話が続くこと数十分・・・)

 

ユウシ:結果として不満はないです。

 

 

初対面を迎えるまでの想像

 

ゴーさん⇒ユウシ


ゴー
:中2,3の子と会うっていったら、自分がそんな頃どうだったかなって思うと、まあ人見知りとはまた別で、普通に(再婚、対面を)イヤだなと思ってるだろうし。でも話を聞くと、ふたつ返事でオッケーだって言ってたから、それぐらいお母さんのことが好きな人達なんだなと思ってた。そこに多少の期待を、俺もまああの人のことが好きで結婚するわけで、あの人を好きな3人という図式で期待はしてたけど。逆に、もうちょっと小さいと話ができないだろうなと思ってたし。年頃なんだけど、人間として同じ位置で話せるみたいなところに期待はしてた。話せばわかるんじゃないかなーみたいな。初対面の時まではそんな感じだったね。

 

ユウシ⇒ゴーさん


ユウシ
:初対面まで。まぁ緊張してて、でもさっきも言ってたけどゲーム好きって話は聞いてて、一番最初に聞いた時に2パターン描いてて。ひとつは、ちょっと陰湿な感じの人ってのがあって、もうひとつは話が合って楽しく一緒にゲームができるって期待で、その期待が現実になってるって感じ。

 

 

実際会ってみてどうだった?


2015年夏、初対面は30分ほどの京都滞在 手前に映るのは妹。

 

ゴーさん⇒ユウシ


ゴー
:会ってみて、そこまで話もできないし第一印象でしかないけど、まぁまぁやっていけそうな感じかなぁと思ったわけよ。で、その後、コンビニで買った臭い餃子を食べてさ。多分無意識だと思うんだけど、「俺別に平気だし!」てのを出してるのかなって思った。で、そのあとすぐ沖縄で・・・沖縄の印象、国際通りに行く時とか、先に歩いて行って、はしゃいでるのか、「俺一人でも大丈夫だし」なのか、「みんなと歩くの恥ずかしい」なのか、でも1人で先に行きすぎると戻ってきたりとかさ。強がってるけどかわいい子だなっていうのがさ。

 

ユウシ:ま、そだね。楽しいなと思ってて 久しぶりの沖縄だし。

 

ユウシ⇒ゴーさん


ユウシ
:1回目はゴーさんの印象というか、母親の緊張の「そんな緊張するんだこの人」っていう発見ね。それで、あんまりゴーさんへの印象が薄れた。確かにいい人で優しそうで受け入れてくれるって印象はあった。
それが沖縄へ行って喋りやすさもあったし、あ、乗り物酔いがすごい人なんだなっていう印象もあって、そこで、あー俺もそうだなって共感できたから、ゲーム好きとかそういう面も合わせて、「この人は俺に合う人だな」っていうのを思った。

 

二度目の対面は沖縄旅

 

 

父とは?親子とは?

 

ゴーさんにとって父親とは、親子とは。


ゴー
:うちの親は、ポイントで「どうなんだ?どうしたいんだ?」ってことは喋るけど、基本的なことは喋らないんだよ。俺からの見方でしかないけど、俺は未熟児で生まれて小さい頃はもう「ああ大丈夫かな・・」って感じで育ったわけよ。だから変な大事なされ方をされてきて、あんまり怒られてきてないんだよ。だから父の遠慮もあるのか、あんまり喋りにくい、プラス、父親と息子ってどうしても男同士で恥ずかしいし、喋らずにきたんだけど、ポイントポイントで、「好きなことをやればいいし責任は自分で取らないといけないけど、サポートはやってやるから」とか言ってくれたりさ。支えてもらってるな、愛されてるな、って感じで、そういう父親ってすごいなー尊敬できるなーって思いながらきたわけよ。

だからそういう父でありたいなと思うんだけど。なにぶん、それだけ支えられる許容量も経済的な余裕もないわけで、でもたとえば今2人共(ユウシと妹)やりたいことがあればやればいいし、料理の道に進みたいなら進めばいいし、「料理の道に行きました、でもやっぱり大学行きたい」ってなったら、そこからまた行けばいいしさ。そこは反対はしないしさ。本人の意思を尊重して、その後に何が起こるかは自分で責任取らないといけないけど、その下でできる支えはしてあげたいなと思うしさ。そういう、自分の父親みたいな風にしたいなって理想はあるんだけど、なかなかまだそこまでは至ってないと思うし。

やっぱり特殊やん?君たちをゼロ歳から育ててないっていうのと、実際問題遺伝子は違うし、書類上の親子だしさ。昨日もさ、仕事の打ち合わせ行ってこの企画の話してて、「ゆくゆくは息子が外側から僕を知れたらいいな」みたいなことを言ってたんだけど。他人だし、男同士だし、やっぱりちょっとこう変な話でいうと、母の取り合いっていうかさ。(母は)どっちも構うわけやけど、あの人からしたらユウシの方が大事なわけよ、当たり前だけど。そこで俺はその時にちょっとこう「俺も構ってや」みたいなさ。てなったら、ユウシが一瞬敵になるわけやん。そういうのと、単純に他人だから恥ずかしい壁があるわけよ。多分それも、お互い崩したいんだろうけど、恥ずかしさ先行で崩せないとかさ、そもそもちゃんと崩したいと思えてるのかどうかも分からないし、でも一応まあ今後暮らしていくんだから崩していきたいしさ。たとえばこの瞬間母が亡くなったらどうすんだって話でさ。その状況で距離が縮まることもあるだろうけど、みんな生きてる内により仲良くなりたいしさ。ハッピーやん?なんか。

俺は父と距離があったからさ、今でこそ多少喋れるし、やっとこの歳でいろんな話が聞けるようになってさ。父や母と距離がやっと近くなったなって思ったんだ。そういう、父と子の距離が縮まればいいなーと思っているこの頃です。

 

ユウシは息子としてどうありたいか。


ユウシ
:息子としては、カフェひらいて有名になるってのが目標かな。自分の力でなんとかしていけるように。どうしても今は頼っちゃうけど、自分でできる人になりたい。今までの生き方で考えたらね、なんとかなってきたからさ。これからもなんとかなるはなるんだけど。

 

ゴー:そうだね。今より周りが見えていくようになると、周りがいるからこそって思えるようになって、もうちょっとこれから分かりやすく自分でやっていかなくちゃなって思えるからさ。なんとかはなっていくし、今少しずつできてきてはいる気がするけどね。ひと皮むける為には、周りを見ることかな。

 

ユウシ:そうだね。頑張ります。

 

 

今回の企画で学んでほしいこと

 

ゴー:失敗を恐れずに向かえばなんとかなる。慣れればできるんだから自信をつけられるってのを学んでほしい。何を相手が話してて何を相手が求めているのか。相手の正解を言おうとするんじゃなくて、相手の話を理解して、
その上で自分の答えを差し出せるといいよってこと。こういうことをこの人は聞きたいんだな、って理解すること。自分自身はそれに対してどう思っているかっていうのを言えるといい。それが身に付くとすごくいい。

だから今、「わらしべ」で聞きに行っててさ。自分が何を聞いて、相手が何を答えてくれるのか。この人の答えかっこいいなぁとかあると思うんだよね。この言い回しかっこいいなぁとか、真似したいところは真似から入ってもいいと思うし。

じゃあ最後にメッセージ言って。

 

ユウシ:これから、この企画を通して、正解を探すって行為をおさえて自分の想いを伝えられるようになりたいし、家族関係で言ったら、これからもより楽しい家庭で過ごしたいなっていう。あんまり怒られたくないなっていう。そんな感じですかね(笑) がんばります!

 

わらしべインタビューの練習の練習、父と息子編でした。読者の皆様、拝読ありがとうございました。